98.10.29 藤島公平
市町村合併など広域合併が全国で問題になっている。そのなかで地域住民の不安がその合併の障害になっているケースが多い。
その理由は第一に、合併によって行政サービスが低下するのではないか、つまり行政窓口が遠くなるのではないかという不安、
第二に、議員定数の減少で、対住民比率が低下して、行政とのパイプが希薄になるのではないかという不安、
第三に、公共料金が高値の自治体に合わせられて値上がりするのではないか、大きい自治体の状況に合わせるのではないかという不安、
第四に、合併の目指すものが、一極集中的な開発ではないかという不信から、都市化と過疎化という地域格差が発生するのではないかという不安のように思われる。
そこで、地域合併を求める側は、合併によるメリットをよく整理して住民に説明することは勿論であるが、以下の保障を確立することで住民の不安を解消すべきだと提言する。まさに根本的解決策であると確信する。
まず第一に、行政の出張所を増やし、オンライン化をすすめること。
第二に、議員にかえて、町内会長・自治会長・商店会長の行政への権限を強化すること。そのためには、たらい回し的会長では役に立たず、きちっとした選挙制を確立すること。そのもとで町内会長会議、連合自治会長会議などを開催しその権限を拡大すること。
第三に、地域住民の署名による請願権を拡大すること。議員の比率低下にかわって住民運動を保障することである。議員の紹介がなくても、担当部局と交渉できるなどの権利を保障すること。
第四に、行政の専門用語を極力廃止し、住民にとってわかりやすい言葉とすること。そもそも、私は大した仕事でもないものをもったいぶっている者ほど難しい言葉を使いたがると思っている。例えば「委任事務」「補助事業」「単独事業」などなどはもっと簡単に表現できるはずだし、出来なければ用語辞典でも作って住民に配るべきである。
第五に、合併によって財政規模が拡大(交付金も含めて)した分を極力、公共料金の安値に会わせるために支出することを誓約することである。
第六に、地域開発について関係住民だけでなく、全ての市民に全容を公開すること。開発によるメリット、費用、効果を公開し、公開討論にかける。場合によっては住民投票にかけることも制度化すべきである。
第七に、旧市町村にあたる地域別の予算配分・執行状態を毎年公開すること。但し地域対立のもとになりかねないので、合併後5年程度までにしたほうがよいと思われる。
以上のような保障があってこそ、合併に対する住民の不安が解消されるものと思われる。合併を求める側は小手先の戦術でなく、広域合併のメリットの保障と合併後の住民不安の解消の保障を明確にすることである。
日本の自治はとかく議員「先生」に頼りがちであるが、合併問題を機に本当の住民自治を実現することを願う。