No27.経営環境激変の中で
   経営計画の無い企業に将来性はない



                      2000. 11. 5  藤島公平 

 現在の経済状況は、誰が言うまでもなく大変厳しい状況にある。従来の景気循環型の景気変動という認識では正確に対処できない。
 しかし、「大変だ、大変だ」と言っていても始まらないというのも現状である。
 なぜそうなったのか、その状況をどう分析するか、自社の経営資源で対応できるのか、そのような状況下で自分の経営をどう立ち向かわせ、その為に経営の改善をどこから手を付けたらよいのか、その手法は何か、というところが今一番重要である。
 私は現状での中小企業における経営戦略のポイントは経営サイクルの再確立にあると思う。
 経営サイクルとは古くから言われてきた言葉であるP-D-C-Aのサイクルである。計画−実行−点検−改善のサイクルであることはすでに承知のことと思う。そしてその出発点は経営計画の作成であり、このサイクルの肝心のポイントは点検にある。定期的に点検がされてこそ、改善と次の計画が出てくる。
 「今更経営計画の確立なんて当たり前のこと」と反論が聞こえそうだが、過去の経営計画なるものが本当に効果のある計画だったのか。ちゃんとした自己分析の元に作成されたのか。経営者自らが確信を持って作成したのか。その点が今問われている。その点が怪しい計画を見ることがよくある。
 逆に、経営計画と聞くと「大手の企業じゃあるまいし大げさな」と思う経営者もいることだろう。
 ところが、経営者は皆、程度の差はあれ頭の中では経営計画を立てているはずなのである。そうでなければ、そもそも経営などできるはずがない。
 ただそれが、明確に整理されていなかったり、状況が変わる度にころころ変わったり、明文化されていないかったりして、経営者層はもちろんのことで、社員にも様子が分からなかったりしているのではないだろうか。
 しかし、「今月は売上が少ないな、来月は頑張ろう」とか「仕入を抑え目にしよう」とか「得意先にすこし売り込みを強めてみよう」とか何か考えているはずである。
 つまり計画があっても点検のない計画でなく、漠然としている経営の計画であれば、はっきりと作成し、そしてそれを点検するしくみをつくるべきである。
 そこで、中小企業経営者の中で経営計画の立案能力を育てることと、それを点検するしくみをつくることによって経営サイクルの効率的な運用のスタイルの確立すべきである。
 計画は作ればよいというものではない。先ず企業診断・自己分析が必要である。その手法をもっと簡単に経営者に知ってもらうことが必要である。
 そして、計画はできても点検は誰がするのか。それは各地の各種商工団体には相談員がいるはずだ。彼らが意識的に点検の役割を持つべきである。もちろんコンサルタントも依頼を受ければその役割を担うことになる。
 外部点検のしくみがなければ経営サイクルは、余程経営者の意思の強さが無い限りどこかでとまってしまいがちである。
 例えば、今話題のISOの特徴は、品質にしろ環境にしろその改善のための努力を経営サイクルのなかに組み込み、そのサイクルを更新審査などの形で外部の点検を受けることによってその経営サイクルの持続的回転が維持されることを目指していることにあることも大いなるヒントである。



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