2002.12.11 藤島公平
現在、自治体の合併問題が、国が旗振り役となって全国的に市町村合併のかたちですすめられている。私の住む山口県内でもあちこちの自治体で合併論議が沸騰している。
私の地元、山口地域では二市四町による県央中核都市構想が持ち上がっている。
このことについて、私は現在の地域環境からみて、ある程度の広域合併は避けて通れないと考えている。
ただし、単純なメリット・デメリットでこれを論じてよいのか、との疑問もある。合併すると儲かるか、損するかではなく、将来のその地域の街のかたちにかかわる問題として考えるべきだと思う。
昔、人は歩くことが中心だったときには、今よりももっと狭い領域の町や村の存在で十分であた。またその狭さが必要でもあった。
ところが自動車時代になって、人々の行動範囲は広ろがり、また行政の事業の範囲も広がってきて、より広い自治体が求められようになった。その結果が既存の町村が合併するかたちでより大きな自治体が形成されていった。
そして今、IT時代といわれる。それは役所の各種の発券業務、例えば住民票、所得証明、健康保険証など、多くがコンピューター処理されて、出先の出張所などで発行が可能となっている。少なくとも役所の本局まで出向かなければならないことは少なくなってきた。つまり、現在の自治体が当初形成された時期とは状況は変わってきているのである。
また行政の果たす役割も介護事業の問題、環境対策問題、交通弱者のための交通体系の整備など、かかえる課題と範囲がさらに広がりを見せている。だからこそ、今広域な行政のあり方が必要になってもいるわけである。
そのことを踏まえて、合併論議する場合の七つのポイントを以下述べさせていただく。
第一は、(自治体の財政状態をどう見るのかの問題)
既に破綻状態に近い国や地方団体の財政状況をみると、現状のまま推移した場合の、街の将来像が描けないという現実があることである。もちろん財政破綻を招いた責任は曖昧にすべきではないが、破綻状況に近い財政状態というのもこれも現実なのである。
第二は、(合併特例法の時期を論議の一つの機会としてみるのかどうかの問題)
合併特例法の時期にこだわって無理な合併ならは避けるべきとは思うが、期限無しの論議も避けるべきだと思う。だから合併特例法の期限とされる平成17年3月を論議の一つの節目としてみることも必要ではないだろうか。
第三は、(地域経済は街の大きさが影響するとみるのかどうかの問題)
私は街の大きさは、その地域の経済的な発展の基礎になると考えている。国内経済が疲弊している現在、国政だけに任せて置けないほど深刻になっている域内経済の活性化のためにも合併は大きな選択肢となると思う。
第四は、(他の地域で合併が成立し、自分の地域で合併しなかった場合の経済的格差の発生はないのかの問題)
周辺の他の市町村でもし合併が成立しながら、自分の住む地域で合併が不成立だった場合にはどうなるのだろうか。その結果は都市間格差が発生し、私たちの生活に大きな影響が出てくるのではないか。
都市間格差など意識すること事態誤りと言う人がいるが、その人々は都市間格差の影響を受けない職種の人か、もしくはリタイヤした人々ではないのだろうか。もちろんその様な人々の存在は当然あってもよいことであるが、街の将来をどうのこうのと言うには積極性がないと思われる。
第五は、(歴史的・自然的一体性を重視する街づくりは考えられないのかという問題)
ただの数集めの合併は歓迎できない。しかし、歴史的、自然的な一体性がある地域の合併であれば、例えば川上―川中―川下の自然を一体保護・管理・開発のスケールメリットが発生してくると考えられる。
ちなみに山口地域での県央中核都市構想でいわれている二市四町は、昔の吉敷郡区と佐波郡区である。そこには、ふし野川水系と佐波川水系を含む地域となる。
またそれぞれの地域の特性は違っていてその総合力を発揮するならば街づくりの夢が広がるのではないだろうか。
第六は、(合併に対するの不安は必ずあるが、それは一つ一つ解消する努力ができないのかの問題)
合併に対して市民の中に様々な不安がある。「合併すれば自分の住んでいる地域は僻地になるのでは」「公共料金が高くなるのでは」「行政サービスが低下するのでは」などです。これらの不安は当然である。しかしその不安をことさら煽り立てる一部市民の考え方には断じて同調できないが、それらの不安としてずっと持ち続けるだけでなく、一つ一つ解消するための努力をすべきだと思う。市民と議会と行政が協働して努力することが今必要である。そのためにも市民参加の仕組みが必要だと以前から強調しているわけでもある。
第七は、(市民合意は街の将来の為にも必要だが、それはどのようにしてつくるのかの問題)
仮に合併するかどうかを決める時には、合併後の市民の積極姿勢を引き出すことと、後々に住民間にシコリを残さないためにも、住民投票を実施して、市民の意思を明確にする必要があると思う。選挙で選ばれた人が決めればよいというものではないと思う。四年に一回の選挙で選ばれた議員はでは選ばれた次期と合併の如何を決めるその時期とに差がある。
合併にかかわる最新の情報と不安解消の方策とを市民が判断して決める機会が絶対に必要だと思う。
以上七つの問題点を挙げましたが皆さんはいかがお考えであろうか。御意見をお寄せください。