2004. 3. 8 藤島公平
最近、各県の警察本部の組織的な裏金づくりの問題が報じられている。
しかしこれは何も今になってはじまった問題ではなく、すでに何十年も前から言われてきたことである。ただ近年、地方の財政がピンチになるなかで、警察財政といえども聖域にできなくなった理由と、この警察の不正を正そうという知事が出現してきたことなどによる。
そして、明確な証拠がつきつけられても警察は議会などでも平気で嘘を言い、組織的な隠蔽工作を続けているという。
組織的な裏金づくりは、架空領収書や裏帳簿の作成といった手口である。これらには当時の担当幹部の印鑑までも押されている。そして議会などに公正さを装った決算書まで提出されている。そして問題はこの裏金が何に使われたかである。幹部連中の懐に入っているのではないかと疑問視されている。
これらは、有印私文書偽造、公文書偽造、議会証言における偽証、公金横領、公務執行妨害、所得税法違反等の犯罪が構成される。
速やかに関係者は上記の罪により事情徴収され、証拠が固まった端から送検されるのが筋である。そして確実に実刑の懲役刑に処せられるところである。
しかし現在のところそのような動きはない。警察が動かなければ検察が独自に動いてもよいはずなのだが動かない。これは身内をかばってのことか、それとも動けば自らの悪行も暴かれるという懸念からか。
最近、年金の「改正」と称した「展望なき年金生活」を描いた「改革」が行われた。そのことで各マスコミが年金特集を組んで報道した。その中で今になって気がついた問題として、全国で約18万人のサラリーマンの妻が「国民年金の第三号被保険者」でもなく無年金状態になっていたことが判明した。そのために年金の受給が可能な年齢になっても受給できないという驚くべき状況が生まれている。
サラリーマンの妻が扶養になった場合、会社から被扶養者異動届というものが社会保険事務所に届けられる。従って社会保険事務所はその妻が扶養配偶者であることは知る立場にある。ところが「国民年金の第三号被保険者」は自らの届出によるという理由から、本人が届け出ない限り手続は放置される (平成14年3月31日以前) 。
今、確定申告の時期である。一定の所得がある人は申告しなければ無申告者とされる。もし税務当局で所得が捕捉されたされた場合、容赦なく税金が課税され加算税、延滞税とともに徴収される。しかし、他の所得で源泉税が差し引かれていて、もし申告すれば明らかに税金が還付される場合であっても、税務当局から「貴方は申告すれば税金が還付されますよ」という通知が本人に届くことはない。
ある公務員が公的な場でこう言った。「国に損害を与えている場合は容赦なく是正を求めます。しかし国が国民に損害を与えている場合は国民自身が是正すべきで、国の方からそれを是正する必要はない」、つまり「国民の不利益は逃さない、国民の利益は教えない」。もっと言い換えれば「取る方はきっちり、払う方は出来るだけ気づれずに放置する」ということである。
年金財政から自らの天下り先の施設(年金財源の施設、雇用保険財源の施設など)をつくっていった。そのためにその地域の民業を圧迫していても、大赤字を出して資金の垂れ流しになっていてもお構い無しである。役人の身勝手さの象徴である。
これで民主主義国家といえるのだろうか。
もし会社が事業に失敗すれば経営者は丸裸で追い出される。その後の再起の道はほとんど閉ざされている。ところが官僚の場合は何があっても責任をとらないし、路頭に迷う心配もない。
会社が政治家に政治資金を提供しようとした場合、それは損金とされないため、架空領収書などで資金を捻出したとする。するとたちまち税務当局は脱税として、捻出した資金以上の脱税金額を推計して重加算税とともに課税する。規模によっては責任者は法人税法・所得税法違反で逮捕される。しかし警察の場合は何のお咎めもない。
国民年金を滞納した者への強制徴収が盛んに行われているようである。本人は年金に加入したくないという意思表示をしていても関係なく徴収の対象となる。しかしその年金のシステムそのものをゆがめて「展望なき年金生活」を導いた者たちへの責任追及はない。
官僚にこそ主権があり、その官僚の支配のもとで生かされている国民(下級官僚も含めて)がいる。まさに官僚的民主主義国家、いや官主主義国家の実態にあるといえる。
日本の国民はこの現実に怒るべきである。身内の役人の手やマスコミの手では生ぬるい。まさに国民の怒りの渦で官主主義国家を打倒して、日本ではじめての民主主義国家を建設すべき時である。