No59.経済記事をどう読む

                             2004. 5. 7  藤島公平

 当社は「FMS通信」で経済記事を要約して希望者に送っています。なぜこのような要約版を送らせていただいているのか。 
 一つは、送信先のためというより、実は当方のためなのです。送信し続けることで、経済情報を確実に押えていきたいという思いです。
 ですから、もともと手前勝手な理由ですから、もしご迷惑な場合はぜひ遠慮なくお申し出ください。ただ手前勝手にお付き合いいただければ大変嬉しく思います。
 もちろん、読む人に経済動向をより速く知っていただいて、誤りの無い経営判断の参考にしてほしいという思いがあります。

 それから、新聞記事の情報をそのまま鵜呑みにすることをお勧めするつもりは毛頭ありません。時には「ちょうちん記事」や「あおり記事」があることを承知しています。しかしそのことを承知の上で情報の真贋を見分ける力をつけるためにも、多くの記事に接することが大切だと信じています。
 そのうえで、経済記事の中から自分と関係する経済の動きを読み解き、それに前向きに対処することができればと願っています。

◆経済記事の読み方 記事情報の種類◆

 ところで、経済記事は、大きく分類すると「結果記事」「評価記事」「とりかかり記事」「課題記事」「アナウンス記事」という風に分けられると思っています。

@「結果記事」の典型は、統計情報や決算情報です。

 企業業績や統計情報を通して社会での「人、モノ、金、情報、技術…」の変化をリアルに知ることができます。
 ただし、見出しが「伸びている」とある場合、「何時」を対象に「どう」伸びているのかの検証が必要です。また「結果」は当然何らかの「計画」や「実行」が先行しているわけで、その検証も大切です。少なくとも、結果をみて「自分とは環境が違うから」と簡単にかたづけないことです。

A「評価記事」の典型は、平均株価やアンケート的情報を裏づけとした日銀短観(日銀短期経済観測調査)などの指標です。(「株価は結果情報ではないか」という向きもあるでしょうが、景況への投資家の評価の結果という見方をすべきだと判断しました。)

 ただしこれらの指標は「選定された対象」や「比較する対象」を何にしたか、で大きく変わるという点を考慮にいれる必要があります。
 またこれらは絶対値(株の投機家には関心事ですが…)を観るものではなく、変化を観るものです。一時点の傾向だけでなく、一定期間の変化を観ることに意味があり、「業界や社会の感覚や思惑」を観るものです。
 ただし変化への期待や後で述べるアナウンス情報への反応なども混在したものであるという点は織り込んでおかなければなりません。

B「とりかかり記事」とは、企業や業界や行政が決めてとりかかり始めたという情報です。

 企業や業界の生産「計画」や「新規参入」「出店計画」など。また、行政の「法改正」、「政策」発表などです。その効果は、すぐに出始めるものから数年後になるものまで幅はあります。いずれにしても近い将来に何らかの影響をもたらす情報です。
 その結果が、自分にとって良い作用をしそうなのか、悪影響となりそうなのかの見極めは大事で、それに応じて素早い対処が必要になることがあります。

C「課題記事」とは、業界の研究調査情報や行政の検討情報などです。将来実行に移すかどうかはまだ未知数な点がありますが、業界や行政が関心をもっている課題であるということです。

 それが自分の関心のある事柄であれば、もし将来実行に移された場合は大きな影響が出てくることになります。今後の推移を注意深く観守る対象としてチェックする必要があります。  
 事柄によっては、近い将来、実行に移された場合を想定して、その変化への対処の準備を開始するべき情報ということもあり得ます。
 特に、経済動向に前向きに対処したいという志向のある方は一番に関心を持つべき情報ではないでしょうか。

D「アナウンス記事」は、新製品開発や新規参入などの情報です。

 どちらかいうと結果はまだわからないが「こんな努力がされています」程度のものから、「すごく斬新な試みです」というものまであります。
 時には、記者や編集者が「広告主の情報だから少し派手に書いてやれ」というものもあり得ます。
 また、昔「日経不況」と言われたそうで、「日経が不況だ不況だと書きたてたので社会全体が萎縮して不況を招いた」と言われたとか。それで今度は「日経のあおり好況」を演出しているのではないか?との憶測もあります。
 アナウンス情報はそれはそれとして自分の身近なところでその効果について推移を見守ることになります。少なくとも余程確かな情報でなければすぐに食いつくのは危険でもあります。


という風に情報を整理して読むと、もっと効果的に理解できそうです。仮に記事の内容が自分の業界や業態とはちがっていても、何かの判断やアイデアにつながりそうなものも情報から見えてくるのではないか、と期待しています。



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