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相談内容

 建築士事務所の役員であり社員として在籍したままで、会社とは別に個人事業として建築士事務所を開設することはできませんか?会社の就業規定では副業の禁止はありません。また現在の事務所の専任の建築士ではありません。

回  答

 さて、御相談の件ですが解決のためには2つの問題があります。  まず第一点は、商法の「競業避止規定」です。商法第264条1項に「取締役が自己又は第三者の為に会社の営業の部類に属する取引を為すには取締役会において…略…承認を受くることを要す」とあって、会社の承諾なしに役員の身分のままで同業種の事業を行うことができないとされています。仮に承諾なしに事務所を開設すると、貴方の独自の仕事による収益であっても、元々会社の収益に属していたものとみなされて、収益の返還を求められることになりかねません。したがって貴方が役員の身分のままで、事務所を開設するためには、会社が承認してくれることが必要となります。もし役員を退任した後であれば、就業規則に規定がない以上 会社の営業に損害を及ぼすような取引をするのでなければ問題はありません。

 第二点は、建築士法第24条1項に「…建築士事務所は、それぞれ専任の…建築士…が管理しなければならない」とされており、「専任の」とは「もっぱら開設した事務所において建築士としての業務を行うこと」となっていますので、別の会社の常勤社員の状態では事務所の開設はできません。ただし現在の会社が貴方を非常勤役員であり、しかもパートタイマー的な扱いにするのであれば、「もっぱら貴方の事務所で業務を行える」わけですから、事務所開設は可能になります。
 いずれにしても、現在在職している会社の協力なしには、現在の状態(役員又は常勤社員の身分)での建築士事務所の開設は難しいということになります。



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