土木建設業を経営しています。現在、県や市の入札に参加していますが、入札参加資格のランク付の仕組みがよくわかりません、教えてください。またランクの引き上げのためにはどんな努力が必要でしょうか。
建設業の場合、公共工事の入札に参加する資格を得るためには、ご存じのように先ず@県知事または建設大臣の建設業の許可が必要です。その上でA毎年の決算後遅滞なく財務諸表等を作成し、B許可の変更届けを受けた後、Cその財務諸表により経営分析を受け、分析結果を受け取ったところでD経営審査を受けます。そしてE1年おきに入札参加申請をして入札参加資格を得ることになります。
ご質問の入札のランクについては、基本的には経営審査の結果などを参考に各行政当局が判断するとなっています。従ってランク付けの経過は一般に非公開にされています。ただし私の知る限りでは、経営審査の総合評点を客観点とし、公共工事などの工事の実績やその精度などを勘案した主観点との合計点でランク付けをしているようです。そしてA〜Eの区分はAを何%程度、Bを何%程度と政策的に行政当局が決めて区分しているようです。したがって、総合評点が何点だからどのランクだと特定できないようになっています。つまり少し不鮮明な部分が残されているのが現状です。今後情報公開が進むなかで改善されるべき点だと思います。しかしいずれにしても経営審査の総合評点を上げる努力が基本であることには間違いありません。
では経営審査の評点をどうしたら引き上げることができるかとの問題になります。この評点の出し方は建設省の統一方式で、大きくいって@工事規模、A技術水準、B財務内容、C企業規模、D社会性その他の状況を点数化して、それをさらに加重平均的な計算をして総合評点を算出しています。ですから工事高が大きいから点数が必ず高いともいえません。工事高だけでなく、技術者の数や利益率、財務比率など全般に目を配る必要があります。
しかも従来は工事規模に重点を置いて評点を出していましたが、最近のゼネコンの経営不振の原因が無理な工事高拡張にもあったという指摘から、98年度以降は財務内容に重点を置くという建設省の政策的方向が出され、経営審査の評点算出方法が少し変わることが予想されます。
とはいっても工事規模は軽視されないと思います。ただし工事規模を維持するために、無理な受注をすることで利益率を落としたり、負債比率を高めることは逆に評点を押し下げることになりかねません。
技術点について、技術者の数が多いのに越したことはありません。計画的に社員に技術資格を取らせるための努力が必要ですし、また資格者の定着を良くすることも大事です。さらに免許資格者だけでなく、10年以上の実務経験者もわずかですが点数になることを軽視しないことです。
財務点では特に流動比率、自己資本比率、総利益率の引き上げが重要です。流動比率が低い場合は、短期手形や短期借入金の長期借入金へのシフトの努力が特に大切です。自己資本比率が低い場合は、負債の整理は簡単でない状況では、増資の努力に取り組んでください。しかし何といっても総利益率こそ最重要であり、他の比率を改善する源泉です。そのためには原価管理をおろそかにしないことです。予算原価をたて、実行原価との比較検討を事務担当者だけでなく現場担当者にも徹底する努力が必要です。「終わってみなければ儲かったかどうか分からない」というのは論外です。
企業規模は自己資本の大きさと従業員の多さで決まりますが、資本は大きいに越したことはりませんが、従業員数は多すぎると、規模の点数は上がっても、生産性点(従業員一人当たりの工事高などで計算される)を押し下げることになります。ですから適正規模の従業員数を確保することが大切です。
社会性点は労災事故を起こさないことや従業員福利が大切です。
以上、大まかな説明になりましたが、貴方の会社の経審結果をこの機会によくみなおしてみましょう。とは言っても評点の計算方式が大変複雑です。具体的に貴方の企業でどの点がポイントかを検討したいというご希望がありましたら、過去3年程度の経営審査の結果通知書を送っていただければ検討して御返事させていただきます。
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