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相談内容

 資金繰りなんですが工事請負代金の支払いが遅れているため労務費の支払いが出来ない状態なんです。こちらは下請けですので強く元請けに対して言うことができません。これからの工事受注ができなくなりますから。しかしそうも言ってられないので、どこかの金融機関から調達したくても担保になるものを持っていません。どうしたらいいのか悩んでいます。ひとつ良い知恵をお願いします。

回  答

 さて、工事代金の支払が遅延して困っておられるというお話ですが、相談の内容では元請先の業種(公共工事請負の土木工事業者なのか、民間のそれなのか、また土地の分譲などを行う不動産業者なのか?)がわかりませんので一定の仮定を立てて説明させていただきます。

@ 仮に元請けが土木業者の場合で考えてみます。工事代金の支払いが遅れている理由が元請側ではっきりしている場合で、しかも元請の経営が悪化しているのでなければ、元請業者との契約書又は注文書(それもなければ貴社が発行した請求書の写し)を用意して、向こう4カ月程度の資金繰り表を準備し、その工事代金を事実上の担保にする形で、保証協会に融資を申し込む方法があります。元請先の経営が良ければ内部保証程度で融資が受けられると思います。

A ただし、元請先の経営が悪化しているために支払が遅れている場合は、支払の期限が確定できないために、@の方法は困難でしょう。また@の方法をとってみたときに金融機関に融資を敬遠されて、初めて元請先の経営の悪さに気づかされることがあります。この場合には元請先に支払の期限を確かめるようなかたちでどの程度悪いのか探りをいれてみて、余程悪い様でしたら、「今後のつき合方が..」などとと遠慮している場合ではないことになります。

 その場合、公共工事でしたら、公共の発注者(建設省地方事務所、県土木事務所、市町村役場など)に名前を明かさない様に頼んで、「下請への代金の支払いを怠らないように」と指導してもらうことが必要でしょう。もしそれでもだめな場合は、建設業法(公共の発注者責任)に基づき発注者に直接請求することができます。勿論これは元請先との縁を切る覚悟が必要ですが、背に腹は替えられないということになります。

 民間工事の場合で元請先が直請業者である場合は、直接発注者に請求することになりますが、これでは元請業者の信用はガタ落ちになりますので、別に借金してでも支払うことになるでしょうが、この場合も縁を切る覚悟が必要です。

 元請先が一次、二次の下請業者である場合には、公共工事の場合と同じく、土木事務所を通じて、建設業法(下請指導責任)に基づいて元請先より上位の業者へ当該の元請業者に下請への代金の支払を指導をしてもらうことができます。それでもダメな場合は上位の業者に工事代金の立替払いを請求することもできます。

B 元請先が分譲事業の不動産業者の場合、通常開発行為に当たるので、開発の資金計画を事前に明確にして県又は市の許可を受けていますので、原則として資金手当をした上で貴社に発注しているはずです。従って支払えない理由はないはずです。しかし昨今の不動産不況のなかで、資金を他に回してしまっている事も考えられます。その場合には最後の手段として、貴社の受け持ちの工事を中途で止めてしまうか、開発許可権者(県又は市)に苦情相談して、完了検査が受けられない状態にすれば、分譲ができないわけですから不動産業者も支払わずにはおれなくなります。

 しかし「分譲できたら支払う」という口車に乗って、工事を完了させて完了検査も済んだのに工事代金が支払われない場合は、残された手段は法的な処置をとるしかありません。

 貴社の状態が上述のどれに該当するのか分かりませんが、いづれにしても早い行動が必要です。

 平成10年6月15日



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