相談内容 初めまして。今回営業経験上初めて不渡手形と言うものを受けました。社長に、高い授業料だが今後この件に関してどのような対応をするのか?自分で考えて行動してみろ。と、言われて、こちらのホームーページにアクセスさせて頂きました。
当方は東京、相手先は長崎で九十日のサイトの手形三枚の合計金額およそ百万円弱です。不渡り日 二月一日
今までの対応 とりあえず相手方に電話したが二十六日から社長失踪で連絡が取れないと社員に言われた。次の決済日がいつかも判らないとの返答でした。又、当方より送った商品は、顧客に納品しており当社には無いとのことで商品を返却して頂くことも不可能のようです。この場合次に何をしてどういう順序で事を進めていけば宜しいのでしょうか?
回 答 御相談の内容は、当方のページの「相談事例のNo6」に似ています。ただし、第一に、相手が遠方であることと、第二に、債権金額が債権回収費用との対比で割が合うかどうかということが特徴のようです。それと第三に、手形の受取枚数が3枚ということですが、それを他に廻していたり、割引いている場合は別の問題が生じてくるということです。
御社の社長の意向が「金額の問題ではなく勉強しろ」ということであれば、まず相手会社に担当者を急いで出向かせることです。(もし手形を他に廻しているのであれば、それも不渡りになるのは当然と考えるべきで、不渡りになる前にすぐに買い戻して下さい。貴社の信用問題にもなります。)その際、「相談事例のNo6」にあるように公正証書を作成する為の準備知識をもって出向くことです(その説明は後半で)。
相手の会社が「2回目の手形がまだ不渡りとなっていないのだから手形の返却に応じられない」ということが想定されますが、「1度目の不渡りを出したということは、貴社発行の手形全体に対する信用が根底から失われたことになる。残りの手形も不渡りとなることは当然として対処する」と宣言して以下のことにとりかかってください。
会社の在庫商品(御社の納品でないものでも)で既に決済が(手形であっても)すんでいるものは、既にその会社の資産の一部を構成しますので、当然に債権の代価として引き取ることができます。この場合にの商品の価格は当然に格安値になるのは分かりきっていますので、その事を考慮のうえで相手社員立会いのもとで、100万円相当額(勿論債権回収費用程度は上乗せしてください)の商品を引き取ってください。
そして、商品の引き取りと同時に相手会社にあるはずの手形受取時の御社発行の領収書と手形返却受取書(とりあえず立ち会った社員の印鑑でもよいですが、社員の身分、住所等を本人に手書きさせること)と交換で、受取手形を相手に返却します。(その際手形を2つに裂くなどして、他で使用不可能な状態にすること)。その上で改めて当日付けの100万円の領収書を相手に発行させてください。つまり100万円の御社の納入商品で、当日「引取商品」を物物交換で購入したことになります。これで元々手形が介在しなかったということになります。商取引は適正に成立し、他社から文句を言われる筋合いはなくなります。
それでも債権回収ができない場合は公正証書作成となりますが、ここで大事なことは公正証書の対象とすべき財産は会社名義の物件だけでなく、経営参画役員の個人資産にも及ぶということです。勿論相手が応じなければ公正証書にはできませんが、仮に倒産した場合は当然に「役員の個人責任」が問われますので、その事をよく相手に説明し「いずれ押さえられるのであれば、せめて当社に義理を立てて欲しい」と応じさせることです。
次に、出向く際に準備するものです。不渡手形(銀行から返されたもの)と期限前の手形と手形受取時の請求書と領収書の控えを持参すること。
また公正証書を現地で作成するためには、会社の代表印の印鑑証明と謄本、担当者に対して公正証書作成を委任する旨の会社の委任状、担当者個人の実印と印鑑証明を持参すること。あとは地元で司法書士又は行政書士を探して書式を書いてもらってってください。もし相手側が公証人役場に出向かない場合は、その司法書士又は行政書士が相手側の代理人となって対処するはずです。