相談内容 昨年より夫は個人事業主(白色)として建築設計を、妻はフリーで翻訳・通訳を行っています。いずれは2人で有限会社設立を、と考えていましたが、今年早々思いがけず夫に大きな仕事が入り、今年にも会社設立を視野に入れています。ただ何分にも独立したばかりで今後の税金のことなど考えると、とりあえず今年は青色申告にしてもう少し様子を見るか、迷っています。
一つの契約を初めは個人でやり、途中で法人に替わるという事は可能なのでしょうか。というのも、法人化してからの契約は時間的に無理があり、まずは個人事業主として契約をすることになります。その後、業務の途中で会社設立という事にした場合、契約書はどうなるのでしょうか。新たに作りなおさなければならないのでしょうか。
また支払いも第一回は契約締結時なので、個人宛てに支払われ、第二回以降は法人への支払い、ということになるのだと思いますが、それにより税金上不都合が生じるのでしょうか。
それとも申告は、個人事業の分の収入・経費は個人事業主として、法人化以降の分は法人として申告し、本人の確定申告は、個人事業による事業所得プラス法人化以降の給与所得を申告すれば、問題はないのでしょうか。
夫の今年の収入は1000万円を超える予定で、経費を差し引いても約5、600万円の所得になりそうです。妻は、翻訳等(昨年度所得約50万円、稼動平均は月10日)の他に、日常的に夫の事業の手伝い(書類作成、庶務など)もしているのですが、青色申告にした場合、妻は青色専従者になれるのでしょうか。それとも自分でも仕事をしてるのでだめなのでしょうか。
もしも、専従者になれないなら、一刻も早く会社を設立して、二人で役員報酬を得た方が、税金上有利の様に素人目には思えるのですが、いかがでしょうか。
また、現在は自宅(賃貸)の一室をそれぞれ使って仕事をしています。法人化の際には、やはり外部にオフィス専用の部屋を借りるべきでしょうか。経費軽減のためあと1、2年は現在の状態の方がベターなのですが。
お忙しいところ恐縮ですが、ご回答をお待ちしております。
回 答 早速大きなお仕事が入ったということでおめでとうございます。
まず法人と収入の帰属の問題ですが、「大きな仕事」の契約が法人化した後でも間に合うようでしたら急いで法人化すると、法人の収入になりますので法人化の意味はあると思います。法人の目的を建築設計業や翻訳業等を入れておけば共同経営でいけます。
ただ契約を個人の時にしたものが、法人になって完成しても、その契約による収入と経費は個人に帰属します。従って途中で法人化しても個人の時の契約は個人として契約を履行することになります。法人化した後での契約から法人の収益と損金となります。
個人での申告が必要な場合で、今年(12年)を青色申告するためには、先ず今年の3月15日までに青色申告の届けを出しておく必要があります。その時に奥さんを青色専従者としての届け出も忘れずにやっておいてください。問題は奥さんが別途に翻訳の仕事があるということですが、月10日程度の拘束であれば、ご主人の手伝い(帳票整理、帳簿の作成、営業活動、その他雑用)ができるわけですから、実態として現に手伝いをしているようですので青色専従者として届け出ができます。
届け出の際毎月の給与額と賞与の額を書きこむ欄がありますので、通常、同程度の他人を雇えば支払うであろう程度の金額を書きこんでおくことです。(あくまで届け出の金額の範囲内しか支払えないとなっていますので慎重に..)
そして、奥さんについては、来年、翻訳の仕事によって得た収入と経費の差として計算された所得と、青色専従者として得た給与から給与所得控除を差し引いた所得とを合算して確定申告すれば良いことになります。
それから法人にするときに自宅を本店にしても原則として問題はありません。ただ許認可(設計事務所登録など)の際に自宅専用として借りている、例えば公共住宅では営業用の賃貸家屋でないということで営業所の所在地と認めないことがあります。
また民間の賃貸でも大家さんに営業をすることの許可を求めることがあります。設計事務所登録でそこまでは要求しているかは所によって差がある様なので、貴方の住所地の土木事務所に聞いてみてください。もしその条件がクリアーされるのであれば本店が賃貸住宅の自宅でも何ら問題ありません。
最近はやりのSOHOそのものです。職住一体の良さを発揮してがんばってください。