相談内容 創業3年目になる小さな会社の総務経理をしております。
大手メーカーである顧客より、120日の手形による支払だと言われて、困っています。
取引開始後6ヶ月ほどになりますが、今までは、口座開設や契約者の締結に時間がかかるとの事で、顧客の子会社へ請求書を出し、子会社から翌月振込がされるという形でした。今月やっと契約締結となり、子会社ではなく、顧客当て請求書を発行するように指示がありました。その際、手形の話となったのですが・・
取引基本契約書には、「支払は両者間で別に定める」と書いてあります。一方的に手形と言うのは大手の特権でしょうか。弊社は業務受託のためにパートナー会社を利用しており、翌月末にパートナー会社へ振込をしています。弊社の営業の者は、資金繰りが出来ないならファクタリング会社を使用するようにとまで言われたようです。
質問は、
1.下請法による60日以内の支払とは、手形も含まれるのでしょうか。(もっと長いサイトの手形だと下請け会社は資金繰りに困ると思われる。)
2.基本契約が締結した後、支払方法が了承できない場合は、どうすればよいのか。(現行の子会社より振込の処理を利用したい場合) の2点です。
今まで顧客やパートナーとはすべて振り込み処理で取引してきました。手形のような原始的な処理になると印紙税や顧客へ訪問する手間、また、ファクタリング会社を利用する際の手数料など弊社にとって、デメリットばかりです。何か良い方法があればご指導お願い致します。
回 答 ご質問の内容を整理すると
1.下請代金支払遅延等防止法による60日以内の支払とは、手形も含まれるのでしょうか。
2.大手メーカー取引会社が取引契約書では、「支払は両者間で別に定める」と書いてあるのに一方的に手形支払を通知してきたことで、基本契約が締結した後、支払方法が了承できない場合は、どうすればよいのか。
とまとめさせてもらいました。
まず、1.についてですが、下請代金支払遅延等防止法の第二条の二の第一項でいう「60日以内の支払」というなかには、現金、預金はもちろん手形も含まれています。ですから手形の支払いそのものは違法ではありません。
次に2.についてですが、「親事業所」 ( この場合に御社との関係で親事業所といえるのかどうかは、同法二条第三項の規定によりますが ) は、同法第三条で「......支払方法....を記載した書面を交付しなければならない」と義務付けられています。御社との間の取引契約書では、「支払は両者間で別に定める」としているのに、両者の協議も無く一方的に「支払方法」を決めてくるのは契約に違反していますし、書面の交付がなければ下請代金支払遅延等防止法に違反しています。
まず取引契約を元にして再度穏便に交渉してみることをお勧めします。御社との取引が他社では補いがつかないほどであれば、親会社といえども無碍な態度にはでれないはずです。問題は取引関係における商品力、製品力を背景とした力関係です。
その上でやむなく手形での支払となった場合、しかも資金繰りが厳しい場合は、地元の保証協会か取引銀行に行って手形割引の措置を行ってください。「大手メーカー」の手形ということですから、手形割引のための信用力は一応あるでしょうから、そのことをお勧めします。
まちがっても民間の金融会社での手形割引はお勧めできません。最初は面倒でも正規の金融機関での手形割引の措置をとってください。また手形割引をとおして、金融機関の出方でその「大手メーカー」の信用力の実態を知る手がかりにもなります。取引会社の信用力に危険信号が灯ればそれなりの情報も入ってきます。
事業をやっていると親会社との支払方法などで不合理と思われることがあると思いますが、一般によくあることなので、その対処方法をこの際勉強すると思ってやってみてください。
個別のことで分からないことがありましたらまたメールください。
追伸 手形を受け取るために相手先に出向かなくても、相手先が書留郵便で郵送する方法があります。その位の手間は相手にしてもらいましょう。勿論到着次第手形振出日での領収書を郵送する必要があります。
また正規の金融機関でしたら現在の低金利時代ですから手形割引料 (手形担保の短期融資と同じです) もそんなに大きな負担にはならないと思います。