相談内容 貴社のホームページの[メール相談No.32]を拝見させていただきました。
当社においても多少類似したケースがありますので、お尋ねいたします。
当社では、現在源泉所得税及び消費税の相当額を滞納しています。最終的にこれらが支払不能となった場合、取締役が責任を負わねばなりませんか?
他から聞いた話では、一般的には個人に責任が及ぶことはないとのことでした。
[メール相談No.32]でいう「徴税権は会社役員個人にまで及ぶ」「取締役全員の中から徴税する」という根拠は何でしょうか?
よろしくお願いいたします。
回 答 国税徴収法の第36条を根拠としています。
(実質課税額等の第2次納税義務)
第36条 滞納者の次の各号に掲げる国税につき滞納処分を執行してもなおその徴収すべき額に不足すると認められるときは、
第1号に定める者にあつては同号に規定する収益が生じた財産(中略)、
第2号に定める者にあつては同号に規定する貸付けに係る財産(中略)、
第3号に定める者にあつてはその受けた利益の額を限度として、その滞納に係る国税の第2次納税義務を負う。
1.(前略)法人税法第11条(実質所得者課税の原則)の規定により課された国税 その国税の賦課の基因となつた収益が法律上帰属するとみられる者
2.消費税法(中略)の規定により課された国税(中略) その国税の賦課の基因となつた当該貸付けを法律上行つたとみられる者
3.(前略)法人税法(中略)の規定により課された国税 これらの規定により否認された納税者の行為(否認された計算の基礎となつた行為を含む。)につき利益を受けたものとされる者
とされています。
つまり取締役など、会社との委任にもとづいて就任し、単なる労務の対価ではなく、委任契約にもとづき取締役報酬や利益処分による役員賞与などを受け取っていたものは、納税すべき金額につき申告税額については「収益が法律上帰属するとみられる者」、消費税については「当該貸付けを法律上行つたとみられる者」(消費税が預り金という性格からそれを滞納するということは役員に対する貸付とみるのではないかと解します)とみるからです。(第3号は脱税に類するものと思われます)
源泉所得税も結局は消費税と同じく、預り金の「当該貸付けを法律上行つたとみられる者」となると思われます。
形式的な取締役で報酬などもらっていなかった場合は免除される可能性はありますが、一般的な取締役などの役員は対象になると考えられます。